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あの頃 二人でいたアパートには
新しい二人が住んでいた
繰り返すことに
僕は少し寂しくなって
泥濘む道を戻っていた
悲しい眼をしてるって
出会った時に君は言った
幸せにしたいって
思ったのはきっと
君が先だったのかな
雨草が茂る海の上に
工場の灯りがぼやけて見えた
嫌がる僕の手を引いて
君は言った
「ここから観るとキレイじゃない」
別れたらもう一度この場所にって
そんな約束を忘れられないまま
5時間かけて着いた場所に
君がいる訳もなく
雨が茂る帰り道に
駅の灯りがぼやけて見えた
何度も通ったこの駅には
もう二人は帰ってこない
あの時 二人が出会った場所に
懐かしさだけ漂っていて
また出会いたいと願ったんだ
もう一度やり直しても
きっと同じと分かっている
たくさんこの街に降った雨と
僕らの思い出はこの街には
あまり変わらないことを知った
悲しい眼をしてるって
君は言った
あなたが幸せにしてくれたって
君は言った
あの時観た景色は確かにキレイだった
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