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反面教師にしたいと思ってる
kabocha0230 投稿 - 2019/05/06 更新 - 2019/05/20 1 Comments 470 Views
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sabrina_no_hana

車道に触れたタイヤが焼ける
近付く夏の凄惨な匂い
魂のような蜃気楼が
自転車の帰路を煽る

これから何処へ向かおうか
まだ見ぬ自分の未来の方さ

玄関のドアはねばついて
ずっと前から僕を嫌っている
環境が行く末を示すなら
せめて想像しない方が良い

まだ聞こえない蝉の声を
身体中に浴びて笑えるなら
そんな人間になりたい
だから一刻も早く
あなたを忘れて生きたい

ねえパパ 泥塗れの畳の上で
桜の散り際を看取ったよ
美しくて 恐ろしくて
あなた以外を思ったよ なのに
ねえパパ 部屋の中はぐちゃぐちゃだ
捻って潰したビールの缶も
汚れた服 写真の切れ端
あなたの愛が蔓延っているよ

テーブルの上で
立っているのは灰皿だけ
他は全部死んでいる
全部死んでいるのさ

もう聞こえない蝉の声が
酒臭い部屋に反響する
へこんだ壁にハエが止まる
増えてしまう どうして
僕は僕であれない

ねえパパ 泥塗れの畳の上で
桜の散り際を看取ったよ
美しくて 恐ろしくて
あなた以外を思ったよ なのに
ねえパパ 部屋の中はぐちゃぐちゃだ
捻って潰したビールの缶も
汚れた服 写真の切れ端
あなたの愛が蔓延っているよ
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1 Comments

美しい言葉によって
生々しい描写がさらに際立ち
全体に香る哀しみのようなものが
こちらにビンビンと伝わってきます。
個人的には、<桜の散り際を看取ったよ>という部分が大好きです。
こういう詞が書ければな、と思えました。
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