帰らぬ小鳥を待つ鳥籠に
硝子の小鳥が生きている
誰にも見えない翼を梳いて
誰にも聞けない声で鳴く
ここにいるよ ねぇ
ぼくはいるよ
かちかち くちばし 重ねても
君の心は 窓の向こうの
戻らない声を探しているね
そんな小鳥は どこにもいない
いもしないぼくを探しつづけて いるね
長い長い時が流れ
鳥籠には錆が茂る
長い長い時の中を
君は未だ外を見てる
小鳥はとっくに死んでいるのに
硝子の小鳥はそこにいるのに
帰らぬ小鳥を待つ鳥籠で
硝子の小鳥が生きている
時間の埃を寄せない姿
時間の全てを置いてきた
ここにいるよ ねぇ
ぼくはいるよ
くうくう 鳴き声 教えても
君の心は 空の向こうの
朽ち果てた声を覚えているね
どんな小鳥も 他にはいない
愛してるぼくを覚えつづけて いるね
1 Comments
2018/12/22
「時間の埃を寄せない姿」しびれます。