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utsusemi 投稿 - 2018/10/20 更新 - 2018/10/22 2 Comments 296 Views
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見上げる天井 行き場のない溜め息
反動で頬を伝った一雫
その涙の訳を知りたくなって
瞼を閉じて 鼓動を夜と共に沈めた

いったい何が苦しいと言うのだろう
特に変わった今日でも無かったくせに
満月をなぞった空白に当て嵌まる
取り戻せないものへと 心酔しているようで

涙を辿れば心に着いて
心を開けたら記憶が語った
記憶は美化した写真を取り出す
幸せという名前を添えて

誰かとじゃなきゃ成し得なかった事
一人とは遠い場所で繋がっていた事
褪せた染みに触れ 今更気付いたよ
何かを捨てながら生きている事に

変わったのは世界の方かもしれない
でもその所為に出来るほど強くはなくて
瞼をこじ開けて 起こそうとする朝に
毛布へと包まるも 枝から逸れる葉のように

地へ

かつての影法師を追い続けて
また一つ何かを落としていく秋晴れ
この涙を拭い切れたときこそが
忘却と呼べる終わり
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2 Comments

ami1213Mami1213M
2018/10/21
初めまして、コメント失礼致します。

出だしの一文で、好きだって思いました。
何日もずっと天井と空だけを見ていた日々がよみがえって、過去の私がもう一人居たのかと、そのような気持ちになりました。
今も沢山捨てながら、でも此処に作品を残しながら生きています。
utsusemiutsusemi
2018/10/22
>あみこさん

初めまして。

自分の作詞は実体験を通してのものが多く、この作品もまたその一つです。
何かを得て、何かを捨てる、でも何かを得ていた記憶だけは残る。
個人的に感じた「生きること」をそのまま綴ったものですが、このように共感して頂けて、また「好き」という言葉を頂けて、この上なく嬉しいです。
忘れるまでは自分も捨てながら何かしら残せたら、と自分も深々と考えさせられました。

コメント、本当にありがとうございました。
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