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utsusemi 投稿 - 2018/10/07 更新 - 2018/10/07 0 Comments 230 Views
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誰のせいか 少女は問うた
車道に警笛 掻き消される声
陽も射さぬ曇天 鉄柵越えて
見下ろした街は 酷く冷たい

壊れた心に 触れても空洞
埋めるものが無い 行き場すら無い
痣の痛みは消え 涙は枯れた
あとは空へ一歩 踏み出す短靴

恐怖の対象 人、愛、暴虐
最期まで手放せずの思い出
下校中の子供ら 影踏み遊び
恨めしく睨んだ 神を殺すように

簡単に捨てる事なかれと 世は怒号を浴びせるが
立場も弁えない癖に よくもまあ生きて来れたもんだ

墜ちた命に 歓迎する走馬燈
環境のせいか 運命のせいか
いずれにせよ相応しくなかっただけ
取り沙汰になるとも 明日には忘却で

今までの苦痛なんて 誰にもわかるまい
無意識に自惚れて 皆 闇に帰るんだもの
そう零しながらも 救いばかり空想して
一番醜いのは 己自身ではないのか

これが解放と言うなら 幸せなものはない
必死に嘯く内に ほら 時間切れだ
逆様になって悔やんだ 伝えそびれた事
私は生きるに値する人でしたか

鈍い不協和音 車道に悲鳴
群がる人集り 消えた少女の灯
情を移した者は 口揃えて言う
「誰も 何も 罪はないのに」と

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