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utsusemi 投稿 - 2018/10/01 更新 - 2019/02/17 0 Comments 205 Views
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近代化を象徴するビル群に
押し潰されそうな腐敗した時計台
アナログに従う指針は
明日を示すのでさえ億劫だ

美化に埋もれる過去を記憶と呼んで
痛みに彷徨うなら こんなものは要らない

涙を流す理由に目もくれず
街に行き交う人は冷徹に捨て置いて
伴う善し悪しを下す一歩前に
失くした月日は何処へ向かえばいい


懐古主義に守られた景色に
外されぬようにと錆びたネジを巻く
本来の使命から立ち退いて
屍と同等な見世物だ

瞼を閉じれば鮮明に鳴り響く
警鐘とも取れる輝しき日々の音
飛び立つ白い鳩を見送った子
馳せた思いは実らないと知らず

雨風に耐え切れず倒壊した時計台
まるで仕方ないと諭すように悔やむ声も無く


積み上げた一生も瞬く間に瓦礫と化す
それが節理と言うなら こんなものは要らない

本当の別れを告げる呪文など
出口の無いトンネルを直走るようなもの
残された悲観的な感傷も褪せ
薄れゆく月日は忘却を廻し続ける


クロノス クロノス 解いてくれ

クロノス クロノス 正当付ける今を

クロノス クロノス 許してくれ

クロノス クロノス 空っぽを唄うのを
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