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utsusemi 投稿 - 2018/09/18 更新 - 2019/01/06 0 Comments 220 Views
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春の匂いに導かれるまま
夏草を掻き分け ふと見つけた
涼風に揺らめく赤い花は
忘れ得ぬ面影とよく似ていた

どうか微笑み絶やさず
この胸に生き続けていますように

あの日を経てすっかり景色は変わってしまった
むしろ変わったのは自分の方かもしれない
涙を零しては希望を夢見る理由を考え過ぎて
いっそ叱られ 振り出しに戻ったならいいのに

嘘吐き者だらけだよ 世界も自分自身も

美しいものを追いかけたが故に
汚いものだけに塗れてしまった
諦めに勝る選択肢も見えず
こうして歌で吐き散らす落ちぶれで

時に「死にたい」ではなく 「消えたい」と思う
皆から記憶を失くし 誰も苦しまずに
それこそ贅沢な我が儘と叱られるか
残り香と共に 望まず巣立った人に

花言葉を思い出し そう悲観的なうわ言浮かべて
こんな所ばかりは変わらず 直せそうにもないな
なら構わないから 確かめさせてくれ
何処でも微笑む意味を
過去に成る前に遺した 貴方という存在を

彼岸を越えて幻想はやがて散り 土に還る
然して種が芽吹き 次の季節へと受け継ぐなら
この喪失こそが 埋まらぬ空虚こそが
貴方の託す証だと
赤い花に触れ 想い 今 そっと手を離した

どうか微笑み絶やさず
いつまでもこの胸に咲き続けますように

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