線香花火が落ちそうで
火種に視線を取られていた
僕の眼は 君を映さない間も
どこかで探している
ぽつんときれた緒も
今ではひとりで結べるよ
落とした小銭を
拾い集めていた昼下がり
空には届くかな
降り乱れる雨に伝えたい
どこかで笑う君の元へ 言葉を注いで
空へともう一度
辿り着けるのなら外連でいい
あの幾億と散らばった 命を繋いで君に贈る
背負われた時の温度も
小さな拍動も覚えている
僕の世界には無い色でも
君の世界には在ったみたいだ
吹き遊び 誰かを思わせる風は
記憶よりも深い何かを
日々の中で忘れようとしていた
そんな想いを巡らせてしまう
空より遠い場所
凭れる壁もない暗がり
それでも笑う君を 声を忘れない
空へと続く軌道
手繰った一本の糸は千切れず
君と僕だけを縛って 引き寄せてくれるよ
眩しく凪いだ海
燃える森 崩れる崖 その全てに
君がいるような気がして
どこからかともなく
暮れを伴う君からの便りは
無音、だけどどこかで生きている理由になるよね
空には届くかな
降り乱れる雨に伝えたい
どこかで笑う君の元へ 言葉を注いで
空へともう一度
辿り着けるのなら外連でいい
見たこともない満ち足りた幸せとは
空より遠い場所
凭れる壁もない暗がり
それでも笑う君をずっと忘れないよ
空へと続くから
さよならよりも遥かな約束
“また逢いましょう”
あの幾億と散らばった 幸せの継ぎ接ぎを君に捧ぐ
あの空は
あの空たちは ずっと 暗い闇を 光を 庇って蒼く映す
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2018/07/20
2018/07/20