作詞コミュニティ Gunjo Lyrics

空しかない広場の ど真ん中に立って
君は歌う 下手っぴな歌を
風鈴が 小声で一つ、鳴いた時に
同じ歌が 鼓膜に届いた

青とか 緑とか 千切って並べた 白
たまに吹く風 冷たい炭酸
それを飲む横顔を 始めて見たときに
ちょっと 悪いことした気がしたっけな

大して 上手くない癖にさ
隣に来て 歌って
腰掛けたブロックは 熱くて
二人 木陰に逃げ込んだ

憶えてる? 何度も聴かされたから
だいぶ変わってしまった 景色の中で
今だって 僕は
そらで歌える
それしかなかった 夏を見てる


空しかない広場で 子供の思い付きで
自転車で 川へ行くことになった
その日は暑くて 坂道とか キツくって
｢もう帰ろう｣って 何度も訴えた

お昼を過ぎても 目的地に着かなくて
恥ずかしながら 僕は泣いちゃって
今にも泣きそうな顔で 君は振り返って
｢絶対着くから｣って 不安を飲み込んでた

ようやく着いた川
僕らは 舞い上がって 飛び込んで
深い透明は 疲れも 涙もさらってくれた

憶えてる? 大声で歌う帰り道
遅くなって しこたま怒られたこと
だけど笑ってた
だって楽しかったんだ
始めて 特別を作った日


空しかない広場は それ自体なくなって
青や 緑も 見えにくくなった
毎日 聴かされた 歌は もう遠くって
風鈴が一つ 小声で 鳴いたよ

何時まで続くか 分からない
｢また明日｣を繋いで
ずっと消えないで きれいなまま
残っている景色を見てるんだ


何度も聴かされた歌
曖昧な約束が 繋がった先の
変わる世界で
変わらない僕らの
下手くそな歌が 続いている

遠く離れても 大丈夫
いつまでも消えない 特別がある
あの横顔を
深い透明を
君と一緒だった 夏に寄せて


｢また明日｣を 明日に繋いで

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