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未だに病室は苦手、なんだか息が苦しくなる気がして。
Union 投稿 - 2018/06/22 更新 - 2018/06/22 0 Comments 182 Views
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電子音が奏でる
大袈裟に単調に
君が生きてるってことを

呼吸音が乱れる
時たまに着実に
君がもうすぐってことを
伝えるように...


何も見えてないんだろう?
その大きく開けた目には
黄色に染まった最後の景色か

何も感じはしないんだろう?
もう曲がって折れた指で
それでも求めた痛みのない死を

つぶやくような君の声
やっぱり少し怖いな。
ごめんね、一緒には行けないんだ
僕は見送るだけ

生ぬるい君の手を
握りしめるしかできない

君の目の光を
朝日が吸い込んだように
黒く染まった瞳

止まった君の電子音に
息が出来ない



電子音が外れた
知らされたはっきりと
君がもういないってこと

呼吸音が乱れる
どうやって息してた?
君がもういないってこと
わかってるのに...

痩せっぽちな君は
まるで人形みたいだ

君の目の光は
誰かが奪っていったよ
白く染まった瞳

なんでも持って行けばいい
命だけ返してれればいい
僕の勝手を言うなら
目も耳も心も全部あげるから...

そこに生ぬるい体が
横たわっているということ
呼吸音と電子音が
鳴り響く日々が続いていくこと

それだけで
それだけが僕の救いだった



何も聴こえてないんだろう?
音が揺れて脳に当たるだけ
良かった僕の泣き声も聞こえないね

何も感じはしないんだろう?
もう疲れ果てた心すべて
それでも求めた君のいる世界

つぶやくような君の声
やっぱり少し怖いな。
ごめんね、一緒に行けなくて
僕に見送らせてくれ

生ぬるい君の手が
冷たく固くなってゆくまで
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