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美味しいコーヒーに救われて
kinoko0929 投稿 - 2018/06/03 更新 - 2018/06/04 2 Comments 1748 Views
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yumemigati3
制服はずっと着てない
どうしても足が向かない
街中をさまよって行き着いた場所で
おだやかな「いらっしゃい」に泣いた

アドレスは誰も知らない
携帯はもはやいらない
僕ひとり置き去りにされてゆく不安
なにげない「ごゆっくり」が染みた

コーヒーの苦味を知って
角砂糖ふたつ溶かして
ちょっぴり大人の世界に触れながら
ゆっくりゆっくりスプーンをまわした

僕からは何も言わない
マスターも何も訊かない
平日の昼どきも週末の夜も
変わらない「またおいで」が聞けた

あしたなど今は見えない
とりあえず今日でいっぱい
教科書をはじめから見直していると
さりげない「がんばれよ」に触れた

コーヒーの苦味に慣れて
角砂糖ひとつ減らして
静かに流れる有線聴きながら
やさしくやさしくカップを包んだ

コーヒーの旨味を知って
角砂糖容れに蓋して
ちょっぴり大人の世界に触れながら
ゆっくりゆっくりスプーンをまわした

2 Comments

yumemigati3yumemigati3
2018/06/03
誰にでもいていい場所がある、そんなメッセージが伝わりますね。

ラストサビ、主人公の変化にもグッときました。
kinoko0929kinoko0929
2018/06/04
さくさん、コメントをありがとうございます。
男の子の時間と心の変化をサビの角砂糖の数(2→1→0)で現したのですが、
それに気づくさくさんには驚かされました。
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