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いつも視線を感じてる
いつもポストには手紙
宛名は誰だかわからない
私はストーカーされている
ストーカーされるようになったのは
退院してからだったはず
初めは何も感じなかった
だんだんとエスカレートしていった
私のストーカーさんは
最近 窓の外には必ずいる
手紙も毎日届いている
住所も切っても貼っていない その手紙
『もし今 アルマゲドンが起こっても
キミを愛していられるよ』
いつも意味のわからない たとえばかりだった
「アルマゲドンじゃないしハルマゲドンだし」
今日も手紙を捨てた
雨の日も 風の日もストーカーされていた
どうやら今日は段ボールに隠れているらしい
動く段ボールに後をつけられる日常
電柱にあたって悶えているうちに
私なりの全力で走りだす
私のストーカーさんは
段ボールを脱ぎ捨てて
顔を両手で隠しながら
きた道を全力で逃げた
『恥ずかしい!恥ずかしい!今すぐにでもモーゼ呼びたい』
そう意味のわからない言葉を叫びながら
ストーカーさんは逃げた
少し先で 転んでいた
ストーカーされるようになってから
かなり月日は経っていた
それでもまだ ストーカーはされていた
そろそろ警察に行こうかと思っていた
だけどある日から ストーカーさんはいなくなった
なぜか寂しくなった
ふと思い浮かべる ストーカーさんの姿
どの姿も思わず吹き出してしまった
ほのぼのと過ごしていると
下から母の声がした
知らない名前の子を叫び
部屋から出され 車で病院へ向かった
案内された病室には知らない子が寝ていた
どこかで見たことがある
思い出そうとしても
思い浮かばなかった
誰かすら分からなかった
それでもなぜか
懐かしさと悲しみを覚えたのだった
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