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瞼を閉じる度、思い出す。
dididim 投稿 - 2018/02/17 更新 - 2018/02/17 0 Comments 404 Views
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掛け違えた釦の様に
噛み合わない吐息で飼う
嘘みたいな熱を帯びた
激情で絡む月夜

裏切りは蜜の様な粘度を以て
傷と傷の隙間へと溶けていく


孤独の虚しさを与えた人は
紛れも無い 唯一だった人
頬滑る雫も掻き毟る爪痕さえも
知りたくなかった 欲しくもなかった


触れ合わない指と指は
互いに立てた規則だった
求めるのが私じゃないなら
窖に仕舞って睡れ

確約は罪にも似た色合を以て
長方形の雪景色乱して壊すの

落とした一滴の黒い雫は
波紋を生み 揺らし穢すの
真っ白な筈の心の中さえも
澱みで満たし 私を殺すよ

偽りの愛しさを教えた人は
紛れも無い 唯一だった人
震える嬌声もくれた温もりも
あげたくなかった 渡したくもなかった

寸劇の前座で狂った喜劇に
花を添えた人 花を摘んだ人
最初の口付けも最後の抱擁も
欲しくなかった 欲しくなどなかった

欲しくはなかった
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