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赤く熟れた果実が
僕を強く誘う
触れたら最後
また戻れないのに
手を伸ばす僕を
どうか 笑って
「馬鹿だな 君は」
同じ事を繰り返して
「馬鹿だな 君は」
鏡の中の僕が
怪しく揺らめいた
純粋な初恋なんて
とっくの昔に忘れたな
誰かの詩のような
淡い恋の味は
思い出そうとも思い出せない
抜け出せない荊の中は
苦しいだけなのに
熟し過ぎれば
もう用無しになる
少し青い方が
遊び甲斐があるし
恋に変わる前に
ごめん サヨナラ
「馬鹿だな 君は」
僕を愛してくれるってのに
「馬鹿だな 君は」
わからない事から
ただ 逃げていたんだ
人の愛し方なんて
とっくの昔に忘れたな
高校生みたいな
若い初心な恋は
眩しくて目を逸らすしかない
君を愛せなかった僕を
どうか 恨んでよ
君も同じだと
思っていたのに
どうして奥に触れようとした?
冷たい氷をその小さな掌で
どうして溶かそうとしたの
禁断の果実を齧ってしまった
僕が悪いんだろう
後悔の味は甘酸っぱくて
仄かに苦かったんだ
人の愛し方なんて
誰が教えてくれるの
恋によく似た遊びや
嘘なら得意なのに
溢れ出す涙は止められない
今更欲しいと願った僕を
愚かだと笑って
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