作詞コミュニティ Gunjo Lyrics

僕はくるみ割り人形
君を見守る憲兵さ
埃まみれのケースから
君をずっと見てきたよ


ケースの外の世界
知らずに 生きてきた僕を
君は 無邪気に連れ出して
よく一緒に 遊んでくれたよね


君を傷付けるものなんて
ご自慢のこの大きな顎で
噛み砕いてみせるよ


さぁ、旅をしよう お気の召すまま
ねずみの兵隊を討ち倒す大冒険
白茶けた硝子みたいな毎日が
君の笑顔で 気色を取り戻せるように



僕はくるみ割り人形
君を欺く老兵さ


キッチンカウンターに
飾ってあった ペペロニアの想い
どうやら散ってしまったらしい


傍観しか出来ない 木製アルレッキーノ
寂寥なクリスマスツリーの輝きと
カウチに掛ける君の表情に
部屋に響く 悵然を告げる嗚咽


さぁ、遊びに行こう お気の召すまま
ドラジェのお城へ連れていってあげる
君が大人になるその時も
君の笑顔は ずっと咲いていくように


ラララ


僕は君を守る 道化師
君に恋する憲兵さ
だけど僕は知っている
君が大人になるにつれて
僕のことを忘れていくこと
きっとこれから 煤けた隘路だろうと
誰かと手を取り合って行くんだろう
君の景色に 彩りをくれる誰かとともに


君の心を覆う 不安の殻なんて
ご自慢のこの大きな顎で
噛み砕いてみせるよ


さぁ、旅に出よう お気の召すまま
今夜 時計の針が真上で重なる頃に
白茶けた硝子みたいな毎日が
君の笑顔で 気色を取り戻せるように



君を蝕む悪夢も 部屋に漂う鬱積も
くるみのように 噛み砕いてあげる
一緒に遊んだ思い出が 泥濘の渦巻で
汚されて 錆びたとしても


だから 今はこの硝子の中
埃まみれでも 見守らせてほしい
君の心のどこかで
僕の面影が 君を見守れるように


僕は しがない古ぼけたおもちゃ
君に救ってもらった憲兵さ

タグ : [ 編集 ]