ゆらりゆらり川辺に
蛍がふわり夏を尾に引いてくる
薄明かりと紅色の鼻緒
夏が来る
君が消えた春を置いて
時は過ぎる
君だけを過去に残して
あの頃に迷い込む
風鈴が凛と鳴る
打ち寄せても帰らない凪の
一方通行の恋
あの時、何を言えば
あの時、何をすれば
あの時、間違わなければ
君は今もここにいただろうか
さらりさらり浜辺に
君が一人夏を引いて消えていく
薄明かりに藍色の空
ゆらりゆらり川辺に
蛍がふわり夏を尾に引いてくる
薄明かりに紅色の鼻緒
私は、今もここにいるよ
夜が来る
まだ灯りを消さないで
君は遠く
私の手の届かない場所
あの場所に迷い込む
風鈴を鳴らす風は見えない
私の心を動かした
そんな風のような声…
あの時、気付けていれば
あの時、はぐれなければ
あの時、手をつないでたら
君は今も、笑っていただろうか
さらりさらり浜辺に
君が一人夏を引いて消えていく
薄明かりに藍色の空
ゆらりゆらり川辺に
蛍がふわり夏を尾に引いてくる
薄明かりに紅色の鼻緒
私は、ここにいるよ
『君が何をしようと
君がどこにいようと
君が何と言おうと
きっと何も変わらなかったんだ
もう、泣かないで』
さらりさらり浜辺に
君が一人私を待っている
動きだした藍色の空
ゆらりゆらり川辺に
蛍がふわり君を連れてくる
走りだした紅色の鼻緒
ふわりふわり朧げに
君が私の手をそっとほどく
綿菓子が溶けていく
ゆらりゆらり川辺に
蛍がふわり夏を尾に引いてくる
薄明かりに笑う君に会えた夢幻の夏
1 Comments
2017/08/20
うーん、すごく良い雰囲気ですね。構成も良いし、
バッチリだと思います。少しくどいと感じる人もいるかもですが、僕は好きです。