昨日よりも暑いことが嫌で
1日の初めに外出はしないと
君は決め込んでいた。
本当は
合わない化粧品の事とか
消えない右目の青い痣とか
たくさん理由はあるのに。
残してしまった氷が
少しだけ溶けて鳴る音。
短い言葉で交わすのが嫌で
日記のように君の日々を尋ねて
僕は安心していた。
本当は
さよならの後のドアの奥とか
理由なく思考停止になる事とか
他に知りたい事ばかりだった。
残してしまった氷が
少しだけ溶けて鳴る音。
誰も見ようとしないけれど、
僕だけが知っている事。
落としてしまった鍵が
床に当たって鳴る音。
拾う君に近付きながら、
振り向く前に聞こえる足音。
誰も見ようとしないのに
僕だけが知っている事。
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