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yumemigati3


君の匂いがしたんだ

朝露に溶けてそっと落ちた

いま僕を支配するのは

無機質な雨の匂いだけ


手のひらに落ちた雫

何も聞こえやしないのに

壊れたテレビみたいな

ザーッて音が聞こえる



どこかへ行ってしまいそうな心の足跡さえも残らない雨の日に

いっそこのまま消えてしまえたらいいのになんて思ったんだ






街はいつもより静かで

世界に一人だけみたいな気がした

思い出すあの日も

まるで無声映画のようで


君の声は聞こえない

降り止まない雨の音で

君がなんて言ったかなんて

僕がなんて言ったかなんて

知らない

無意識の抵抗



『さよなら』の分だけ手放したものを『またね』はひとつも返してくれない

それを知ってて君とさよならした筈なのに 僕はまた

僕はまた…






君の匂いがした

明け方の陽の光に混じって

君の匂いがしたんだ

そういうことにして

また今日も






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2 Comments

yumemigati3yumemigati3
2017/06/18
雨は人をセンチメンタルにさせるのでしょうかね。
とても良い雰囲気の作品だと思いました。GOODいたします。
mizumizumizumizu
2017/06/18
さくさん
コメントとgoodありがとうございます。
雨の雰囲気好きですね。
センチメンタルも好きなのでそうなったのかもしれないです笑
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