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薔薇の木の元で
asakist 投稿 - 2017/05/04 更新 - 2017/05/05 0 Comments 642 Views
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febell
夏の日暮れが差し迫る
蝉のさざめく坂のうえ

絹の傘を 傾け
通りすぎる

バラの香りの黒髪に
肌の白さがよく映える

きみのすがた 目を惹く
真夏が魅せた 御伽のよう
つぼみが芽生えた

振り向くぼくを 見透かすように
きみの瞳と交差する
逃げだすように ぼくは走った
高鳴った鼓動と 汗のわけ
認めきれず


今日も暑さの坂道を
上る向こうに見えるきみ

淡い青のスカート
風に踊る

不意に聴こえた君の声
ぼくは遅れて気がついた

「あなたの目は私と
同じ」と言って 笑いかける
つぼみがふくらむ

振り向くぼくを 誘うように
きみは右手を差し伸ばす
茨のように ぼくを絡める
高鳴った鼓動と汗に知る
そうかぼくは


二つ影絵が重なって
夏の陽射しに差揺らいだ

きみのすべて 可憐で
女性のような 仕草をする
女装の麗人

手を取るぼくを 愛しむように
きみの瞳にバラが咲く
後追うように ぼくの心に
高鳴った鼓動と汗を吸い
開きだすよ
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