僕と君とあいつ

12ad543 投稿 - 2017/04/26 更新 - 2017/04/28 2 Comments 178 Views

泣いている君を
抱き締めること
僕には出来ないから

あいつがいない
それだけでもう
僕ら死んでしまうから

息を吸い込んでみても
痰が絡むだけさ
あとは思い出なぞるだけ

慣れないスーツ
上がっていく煙
その向こうに見える雲

いつ頃になるか
僕と笑っていた
あの日はもう来ないから

黒い革靴が蒸れて
来たときより
足は重くなっていく

静かに
心の中に染み込んで
いつか
溶け合っていくんだ

空いてしまった空洞は
もう誰も埋められないけど
きっとそれでいいから
きっと君がいた証だから

静かに
心の中に染み込んで
いつか
溶け合っていくんだ

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