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1970年代あたりの風景をイメージしながら、少しサスペンス要素を取り入れてみました。
manbou0502 投稿 - 2017/04/16 更新 - 2017/09/22 0 Comments 415 Views
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ぬるい陽を浴びて 緩い坂を登る
珈琲屋に行けば 世界の片隅に
座れる

黒い水面には 青二才が映る
表情 濁らせて 睨んでやる事も
出来ずに

くたびれた この街に
黄昏が 迷い込み
出遅れた 旅人の
醜さを 照らし出す

冷めきった 切なさを
飲み干して 消し去れる
それだけの 事すらも
この胸を 締め付ける
古いラジオから
愛の歌が響く
黒い青を滲ませる


褪せた服を着て 狂い人を気取る
硝子越しの空を 燃え上がる大地に
例える

逆様になれば 少しは楽になる
幻 抱き抱え 世界の片隅を
飛び出す

蓋をした この心
いたずらに 開け放つ
名も知らぬ 口付けを
拾い上げ 名を付ける

佇んだ 刹那さえ
永遠と 変わらない
橙の 太陽が
やるせなく 見下ろして
馴染む唇を
染めた爪が拒む
また目線が擦れ違う


人並みの 苦楽を背に
重たげな 芝居を打つ
愛しさを 履き違えて
重なれば 海へ落ちる


今日もまた 自分だけ
死にきれず 街を這う
名を付けた 口付けを
忘れたら 立ち上がる

冷えきった 切なさは
暖めて 消し去れる
それだけの 事だから
この胸も 締まらない
古い口付けへ
愛の歌を贈る
朱い空も暮れかける


ぬるい陽を浴びて 濡れた服が乾く
珈琲屋に行けば 世界の片隅に
隠れる
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