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ひな祭りに寄せて。
asakist 投稿 - 2017/03/03 更新 - 2017/03/03 0 Comments 206 Views
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portame
風薫る春を侘び
見目に続く水平の
言い知れぬものの丈を奥へ遣って
星畳む

夜が明ける 際限なく
どこかしら 寂しい目で
朝と白む 月など跼く
誰かのためと 小鳴く鵠

穏やかに 健やかに
清かに 押し進む
影に積もる 沈丁花
珠と生る

黙る声の
静けさに 灯り つうと消え
ひとりの水面 映る
波紋と 指切った
畳まれる
星たちの背 躊躇い揺く
幸福は かたちもなく
季節を飛び去って

今日も 続く明日も
続き合う日々の 谺の中


夜が明ける 近づきだす
それぞれに 香りを為す
呼吸をする 深く深く
居場所を果てと 飛翔る鵠

軽やかに 緩やかに
確かに 咲き溜まる
春の兆す 沈丁花
そこに在る

咽び泣いた
後の手の 凍り ふうとはく
温めた吐息 昇る
見目さえ 追わずとも
還り去る
ゆきずりの音 響かす花托
水平に 流れるのを
涙と重なって

鳴った

どうか
行き果てぬ 世界 ずうと行け
ひとりの水面 今は
波紋も 数えなく
雪はみな
水嵩を増す 面影となる
幸福は かたちもなく
それこそそれでこそ

今日を 続く明日を
続き合う日々を 生きるのだと
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