作詞コミュニティ Gunjo Lyrics

部活から帰ってきたボク　なんだか少しいらだってた
部屋のドアが強い音をたてて カバンも床に叩きつけて

それを察したのかお前は 小さいおかえりで迎えた
やさしい静かな声だったのに ただいますら言えなかった

昨日はあんなにしゃべったのに　
昨日はあんなに笑ったのに
ボクのせいだとわかっていた
でも少し意地を張っていた


隣の部屋で聞こえる お前の無邪気な笑い声
そんな明るさに誘われて ボクは重いドアを開けた

ボクに気付いたお前は 大きい笑顔で迎えた
楽しい明るい声だったから ボクも一緒に笑った

さっきはいらいらしていたのに
話す気にもなれなかったのに
お前のおかげだとわかっていた
でもありがとうを言えなかった


小さなことで喧嘩をした お前は悪くないのに
ボクだけが変な意地を張ってて またドアを強く閉じちゃった

毛布の中で思い出すのは お前の悲しい横顔
悲しい寂しい顔だったから ボクはここで泣いてる

こんなことしたくなかったのに
こんなこと間違ってるのに
ボクのせいだとわかっていた
でもごめんねを言えなかった


お前は悪くないんだけど
ボクが全部悪いんだけど
ドアを開けようとはしなかった


あれから数分　聴こえてくるピアノの音色
お前の音だとすぐにわかった
でもドアを開けることができなかった

あれから数十分　聴こえなくなるピアノの音色
お前のことが気になった
でもボクはまだ意地を張っていた

そして・・・・・
あれから数時間　いきなり響いた　大きな音
お前の部屋から聞こえた
ボクは強くドアを弾いた


お前のことが心配だった


お前はそこに倒れていた
右手にクレヨンを持って倒れていた
ボクは大きく叫んだ
大きく強く
倒れているお前の名前を叫んだ

携帯電話を取り出し　お前を守る数字をうつ
お前は動いてくれない　叫んでも動いてくれない
言葉にならないコトバが喉のうちにこみあげる

響くサイレン音　運ばれていくお前
床に落ちた　お前のクレヨン・・・・・


クレヨンの響いた音が　永遠に聞こえた


ボクは涙で満ちてた　もう
お前のただいまが聞けなくなったから
お前の笑い声が聞けなくなったから
お前のピアノが聞けなくなったから

ごめんな　ただいまって言えなくて
ごめんな　ありがとうって言えなくて
ごめんな　ごめんねって言えなくて


床に置かれた　赤いクレヨン
ボクはお前の部屋に立ち尽くす
ふとお前の机に目をやると
涙が滲み出てきた

お前とボクが手をつないでる・・・
一枚の絵がそこにあった・・・
「おにいちゃん」って
黒いクレヨンで書いてあって
「だいすき」って
えんぴつで下書きしてある

兄弟だからわかったんだ
わかったときは涙が溢れて・・・

赤いクレヨンんで
なぞるつもりだったんだな
「だいすき」を
なぞるつもりだったんだな
ボクは床に身を倒して
お前のやさしさに泣いた

クレヨンがあるのは屋根裏部屋
「だいすき」って伝えるために
お前は　お前は・・・・

絵はできあがっていない
もうできあがることはない
でもはっきり伝わっている
伝わっていることがある

ボクもお前に伝えるよ
お前と同じやり方で


この赤いクレヨンで

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