陽が差している日中は
明る過ぎて前が見えぬ
かろうじて見える影を
ついて はなれて おう
貴女もどうやら眩しいものは
苦手なようで
可愛らしい麦わら帽子を
深く被り直した
蝉時雨に包まれながら
今日も暑さを語り合う
私の声と蝉時雨が重なって
蝉時雨で聞こえない
そういって貴女は私に近付く
蝉時雨で聞こえない
聞き直すたびに近く
蝉時雨で聞こえない
蝉が煩いねと
嬉しそうに
私には
貴女の鼓動が煩くて
嬉しそうに 煩くて
月が出ている夜道でも
虫たちの喧騒は止まぬ
首筋を伝う汗を魅せて
ふいて あふれて こう
辺り暗くとも気持ち熱くて
髪をかきあげ
少し幼い右耳を
軽く撫で上げた
蝉時雨に助けられ
固唾を飲み合う二人
貴女の声と蝉時雨が重なって
蝉時雨で聞こえない
そういって私は貴女に近付く
蝉時雨で聞こえない
本当は聞こえているのに
蝉時雨で聞こえない
まだ暑いねと
嬉しそうに
私には
貴女の吐息が熱くて
嬉しそうに 熱くて
7 Comments
2015/08/12
なんだか悶えてしまいそうな、二人だけの世界。
こういうの自分は好きですね。
ひとつ、一番と二番の最後の連ですが「嬉しそうに」というのは
一番だと、貴女の鼓動が煩くて 嬉しそうに煩くて は私が(にとって)嬉しく聴こえてる、という認識で良いのでしょうか?
すいません説明力なくて、何言ってるか分からなかったらスルーで良いです。
同じ題材で書いてるのに皆、着眼点というか蝉時雨の使い方全然違いますね。
面白いなぁ~
2015/08/12
さっそくのコメントありがとうございます!
読み直して、我ながら悶えて「俺きめーなーおいw」とか思いつつも投稿しました。
その件ですが、その理解でおーけーです。
小説っぽく場面をかけば
「ーーーーーー」
恥ずかしかったが、夏の熱気と貴女の火照りに当てられた私は、気持ちを言葉にした。
「ごめん、蝉時雨が煩くて、よく聞こえない」
そう言いながら、本当は聞こえていると言わんばかりの笑みを浮かべて貴女は近付く。
「ねぇ、さっきなんて言ったの。蝉が煩くて聞こえなかったよ」
また一歩近付く。聞こえてるくせに。
貴女は蝉時雨が煩いというが、私からすれば蝉時雨なんか耳に入らない。
暑さで誤魔化した貴女の本当の表情と鼓動から、嬉しいという思いが、煩くて。
みたいな妄想いい加減にしろと言われそうですが、こんなイメージです笑
いかにみんなバラバラの視点と世界観をもっているかですよね。
辞書にのってるような使い方はだれもしてませんし。
2015/08/12
まさか、月魅さんが乗っかってくれるとは。感謝!
まるで世界から切り離されたような二人。蝉時雨をちょうどヴェールのように、二人を包むもののように使っているわけですね。登場人物たちもまた、その雰囲気に呑まれている。
月魅さん流のステキなラブソング。ありがとうございました。
2015/08/13
二人の世界が、世界と切り離されてるような
そんな幸せな感じがしました
2015/08/13
コメントありがとうございます!
そして面白いお題をありがとうございます。
いやいや、ただの一般ユーザーですぜ?私なんか笑
夏の熱気って、なんだかえろっちぃイメージあるけども
そういうのじゃなくて、プラトニックに仕上げたくて
それに蝉時雨を合わせたらこんな風になっただけですわ。
蝉の煩さも、こう捉えたら風流かなぁって。
まなもさん
コメントとGOODありがとうございます!
こんな二人に私もなりたい、どうも月魅です。
恋は盲目って、案外こういうことだったりしてね笑
そういえば、この詞に陽影月魅の名前つっこんだんですが
誰もつっこんでくれなかったなぁ←
2015/08/13
遊び心満載ですね!
月魅さんがなりたいという願望も混じってるっぽい!
でも、これはわかりませんよ笑笑
2015/08/13
常に少年ですゆえ(21才)。
いつまでも遊び心をもった人になりたいです笑
そりゃ、こんなロマンスしてみたいじゃないですか?!
でもそういうの上手くできないし笑
まあわかってくれたら面白いなぁくらいのテンションで入れましたし笑